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国内で新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令された前後、丁度街やお店からぱったりと人が消えた頃に話題に「ブームになっている」と言われていたのが観葉植物です。実は世界的なムーブメントになっていたそうなのですが、その背景にはある理由があったと報じられています。

The Conversationというニュースサイトによると、クイーンズ大学ベルファストで社会学の専門家であるGiulia Carabelli氏によると、欧米で新型コロナウイルスが本格的に流行した今年始めの世界的な都市封鎖が行われた時にイギリスのオンラインプラントストア『Patch』ではこの期間中の観葉植物の売り上げは平年よりも500%というとてつもない伸びを記録しており、このオンラインストア以外でも記録的な数の注文が入っていたといいます。

House plants were our link with nature in lockdown – now they could change how we relate to the natural world

この新型コロナウイルスと観葉植物の購入という行動心理には何らかの理由があることは間違いなく観葉植物の購入動機を調査したところ、例えば子供がいる家庭では観葉植物を用いて「教育」「気晴らし」として使用していたほか、観葉植物ではなく家庭菜園を始めていた家庭では水やりと植え替えを子供に任せることで身近で遊べる環境を作っていたといいます。

またそれ以外の人ではやはり観葉植物を置くことで鉢の入れ替えなど土にふれる機会も生まれ心理的ないやし効果や、家族間では次に何を植えようかという共有の話題を持つことが出来たという内容も記載されています。

Carabelli氏は今回の新型コロナウイルスの流行により植物に対しての意識変化があったととしており共に暮す連帯感や植物が自身の生活を豊かにすることを理解するきっかけになったのではないかと指摘しています。


ただ、記事を読む限りでは観葉植物ブームについては新型コロナが火付け役になったわけではないという趣旨の内容も記載されており、特に欧米では2016年から2019年にかけて観葉植物の売り上げ高は毎年上昇傾向にあり50%ほど(2018年は65%)増加していたとのこと。この傾向は世界中で確認されていたとしてます。

観葉植物ブームは世界的な流れに支えられ新型コロナウイルスによる都市封鎖で一気に加速したということは間違いないのですが、その背後にあるのは人間が植物の購入に至る心理であり、自然との関わり合いがいかに重要で私達の身近にあるにもかかわらず実は不足しているものかを再認識する結果になったのかもしれません。