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先日、トヨタが2030年代にエンジンだけを搭載した車の販売を停止すると報じられるなど、近年注目されている電気自動車。日産のリーフをはじめ街中でもよく見かけるようになりましたが、今回はこれら電気自動車について冬になると著しくバッテリー性能が低下する問題について取り上げた記事を紹介します。

韓国メディア、朝鮮日報によると、ヒュンダイから販売されている電気自動車を所持するAさんは、電気自動車に乗る上で冬に必需品アイテムとして「厚いパーカ」を挙げました。なぜ厚着が必要なのか。それは冬になると電気自動車のバッテリーの性能が落ちさらに電力を無駄に消費するヒーターまで使用するとバッテリの容量が速くなるという理由です。

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これは電気自動車では共通して存在する欠点で、スマホのバッテリーと同じように寒くなると夏場に比べて本来の性能を発揮することができず、電気自動車では走行可能距離そのものが低下することになります。Aさんは「真冬にヒーターの電源を入れたまま運転すると体感走行可能距離が普段の半分まで落ちる」「厚いパーカを着て、ハンドルとシートヒーターだけをオンにして寒さを絶えるしか無い」と話しています。

では具体的に冬場になるとどれほどバッテリー性能は低下するのか。2020年3月「ノルウェーの自動車連盟」(NAF)が冬季電気自動車の性能の実験を行った結果、20種の電気自動車は常温23度で測定したWLTP(国際標準排出ガス試験方法)に比べ平均18.5%も走行距離が減っていたことが分かりました。

計測方法としては氷点下2度の都心、山道など様々なコースで行われた実験で、電気自動車が完全に停止するまでの距離を測定する方式で行われました。実験対象はテスラモデル3・モデルS、ヒュンダイ、コナEV、ベンツEQC、アウディe-トロン、また日本からは日産リーフなど代表的な電気自動車20車種です。

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なぜ冬場になるとバッテリー性能が著しく低下するのか。これは真冬に気温が低下すると電解質が固まるという物理的な発生します。リチウムイオンの移動が鈍くなるとバッテリの内部抵抗が増加し。これにより性能も低下します。これにより冬場の電気自動車走行可能距離が大幅に短くなり、さらに充電時間そのものも長くなります。さらにヒーターまで使用する場合は最大走行距離はさに低下します。

一般的なエンジンを搭載した車であれば当然エンジンの熱を利用した暖房が利用することができ、エアコンを動作させなければ燃費への影響は限定的となっています。したがって、北海道のように気温が極端に低い地域では電気自動車は必ずしも有効な選択肢とは言えず、PHVやHVといったエンジンを搭載した車種を選択するなど、環境に応じた車種選びが求められることになります。