Cornfield Bomber

1970年代アメリカで発生した奇妙な出来事をご存知でしょうか。実はパイロットが緊急脱出後、そのまま墜落するとみられた戦闘機が見事不時着。その後も使用されるという珍事が発生していたことがあります。

1970年2月2日。アメリカ、マルムストローム空軍基地を飛び立ったのはゲイリー・ファウスト氏が操縦するF-106戦闘機です。しかし、離陸後しばらくして機体の調子が普通ではないことに気付き、急遽基地に引き返そうとしました。しかしまもなく制御不能のきりもみ状態に陥り、パイロットは直ちに緊急脱出装置を使用し機外に脱出しました。

航空事故としては珍しい話しではないんですが、実はこの後摩訶不思議なことが発生します。ファウスト氏が緊急脱出後、奇妙なことに正常な飛行状態に戻り、何事もなかったかのようにまっすぐ飛んで行くF-106を目にしました。当時、無人で飛行するF-106を見た別のパイロットは降下中のファウスト氏に対して無線で「you'd better get back in it!」(早くあの中に戻ったほうがいい!)と言ったとか言わないとか。

そして無人のF-106は徐々に高度を下げ、ほぼ完璧な状態で冬の畑に胴体着陸を果たしました。その後大きなダメージもなかったことから同機は修理され再び任務に復帰したといいます。

後に誰が命名したのかは不明なものの同機は「コーンフィールド・ボンバー」と呼ばれるようになりました(※ただし墜落した畑はトウモロコシ畑ではない)。この機体は任期終了後、国立アメリカ空軍博物館に寄贈され現在も展示されているとのことです。



Cornfield Bomber 01

Cornfield Bomber 02

Cornfield Bomber 03

Cornfield Bomber 04

Cornfield Bomber 05