ドリームチェイサー

米民間企業、シエラ・ネバダ社が開発を進めている宇宙船ドリームチェイサーの滑空試験が先月末に行われたものの、着陸時に片方の着陸脚が動作しないというトラブルが発生していたことが明らかになりました。

ドリームチェイサーを開発したシエラ・ネバダ社及びNASAによると、10月26日に実施した同機初の滑空試験を行った歳、着陸に失敗し試験機が破損したと報じています。

試験は無人のドリームチェイサーの技術試験機(Engineering Test Article, ETA)を使用したもので、エリクソン・エアクレーン社のヘリコプターで上空まで釣り上げ切り離しを行い滑空し着陸するというものです。これは宇宙からの帰還を模したものになるんですが、着陸直前に左側の着陸脚が出ないというトラブルに見舞われたというものです。

▼滑空試験の映像


シエラ・ネバダ社及びNASAはどのような着陸になったのかは明らかにしていなかったものの、先月29日、シエラ・ネバダ社のMark Sirangelo副社長が記者会見を行い結果を発表しました。そこで明らかになったのは「損傷は受けたもののそれほどひどくはない。また実機であれば乗員区画に当たる部分への損傷は一切なく、修理も、そして再飛行も可能だ」ということでした。

またSirangelo副社長は今回の事故と全体の評価については「我々は確かに100%の成功を望んでいましたが、99%は達成したと言えるでしょう」「我々は必要なデータを得ることができました。今回の事故が、今後の試験計画に影響を与えることはないでしょう」と述べています。

ドリームチェイサー



ドリームチェイサーはNASAが計画していた商業乗員輸送機開発の元で開発が行われていた機体と言われ、リフティングボディーを採用したHL-20の成果が元になっているといわれています。

同機はアトラスVにより打ち上げが行われるとされており、最大7名と貨物を乗せ国際宇宙ステーションのような周回軌道へ投入することが可能になります。着陸装置も備わっており、航空機が使用する世界の滑走路に着陸することが可能です。

今回不具合が発生した着陸脚はF-5戦闘機の物が流用されていました。実際に宇宙に行くドリームチェイサーは専用に開発したものが使用される見込みです。

参考:sorae.jp