教室

教師からすると、生徒の成績が上がることを誰もが望んでいると思いますが、実は教え方以外にもある動作で成績を向上させることができるという研究結果が発表されています。

研究チームを率いたのは2人の心理学者、ミシガン州立大学のキンバリー・フェン(Kimberly Fenn)氏とアイオワ大学のスーザン・ワグナー・クック(Susan Wagner Cook)氏。

ミシガン州の小学2~4年生184人を対象に、4+5+7=[ ]+7のような等式の解答能力をテストした。クラスを半数に分け、それぞれ別の指導法のビデオを視聴した生徒の理解度を確認する方法だ。一方は等式の両側で手を振りながら、左右を同じ値にするよう説明。もう一方は、同じ情報が言葉だけで伝えられる。

ビデオを見た直後にテストを実施したところ、手振りを交えた説明を受けたグループが良い成績を上げた。24時間後に実施した2度目のテストでも同じ結果が出た。

National Geographic

手振りと学習能力向上、理由は不明

今回研究を行ったフェン氏とクック氏によると、手振りと学習能力向上するという研究はこれまでもおこなわれ、同様の研究結果が出ているといいます。一方、どうして手振りと学習能力向上するのかという理由については明らかになっていません。

これについて今回の研究では「手振りは特に数学問題の構造理解を助けるのではないか」とし、「等式の両側を両手で強調することにより、生徒は数字に惑わされることなく、一番の目的は左右を同じ値にすることだと理解したのではないか」と説明しています。

ただし、この手振りによる成績向上は教え方が上手く、また専門的な数学の訓練を受けた教師のみ有効としそれ以外の場合はいくら手振りをしても効果は出ないだろうと話しています。