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アメリカが行う今後の宇宙開発として、深宇宙への進出が挙げられています。その中にある「2025年までに人類を小惑星に送る」という計画では、ある専門家は準惑星に分類されているケレスという天体が有力候補だとしています。

 2030年を目標に、火星と木星の間にあるメインベルト(主小惑星帯)最大の天体、ケレスの有人探査が計画されている。ミッションの難易度は、火星の有人探査と同程度だという。

 アメリカのオバマ大統領は2010年、「2025年までに人類を小惑星に送る」と目標を掲げている。久しく絶えていた、地球周回軌道から先の有人ミッションが俄然現実味を帯びるようになった。例えば、NASAでは、ロボット宇宙船で捕獲した小惑星を月まで曳航、現地に宇宙飛行士を派遣する計画「小惑星イニシアチブ」を進めており、2021年には実現できると見込まれている。

「NASAの計画では小惑星のサイズに限界がある」と語るのは、アメリカ、インディアナ州にあるパーデュ大学の航空宇宙工学者ジェームズ・ロングスキー(James Longuski)氏。「もっと大きな、最大級の小惑星に人類が降り立つ方法を考案した」と意気盛んだ。
National Geographic
「月には行った。次に目指すところは火星や小惑星といった深宇宙」という目標は、上記にも書かれているように2010年にオバマ大統領が掲げたものです。ちなみに「ケレスの有人探査が計画されている。」と書かれていますが、どの小惑星に人を送り込むのか、私が知っている限りでは具体的に示されたことはありません。

さて、今回ロングスキー氏が主張しているケレス有人探査なんですがどのような計画になるのか紹介すると、宇宙船の動力は電気的に推進剤を放出するイオンエンジンで電源は原子力です。宇宙飛行士が受ける宇宙線の影響を考え片道270日、総日数は2年以内で完了することとしています。(この日数は火星探査とほぼ同じになっているようです。)
実際の探査では先に物資や帰還用燃料をケレスに送り込み、その後無人の有人宇宙船の打ち上げ、人間を乗せたカプセルを打ち上げランデブーさせケレスを目指すとしています。

この計画について元NASA宇宙飛行士で惑星科学者トム・ジョーンズ氏は「人類がケレス往還を果たす迅速かつ効率的な方法だ。ただし、ロボット探査機の方がコストもリスクも抑えることができる。“なぜ人類がケレスに降り立つ必要があるのか”という基本的な問いについて、もう少し慎重に考える必要があるだろう」と評価しています。

▼ケレスと地球のサイズ
ケレスと地球のサイズ

▼ケレスの公転軌道
ケレスの公転軌道