ティコ超新星爆発

太陽のおよそ10倍の質量のある恒星はその一生を終えるとき超新星爆発という壮大な大爆発を起こします。この爆発で残骸が宇宙空間に広がるのですが、星雲として数千年から数万年という時間輝き続ける理由についてハーバード大学がある発見をしました。

恒星が超新星爆発を起こすと、光が消えるまで数週間から数か月に渡って明るい光を放つ。しかし、超新星爆発によって生じる物質の放出はによって形成される超新星の残骸は、超新星爆発が起きてから数百年から数千年に渡って光を放ち続ける。しかし、いったい、何がこれほどまで長く光を放ち続けることができるパワー源となっているのだろうか?

Tychoの超新星残骸の場合、超新星爆発によって生じた衝撃波の反作用として、マッハ1000の内向きの衝撃波が生じることで、この衝撃波がX線の光を放出していることを発見した。

 Technobahn
超新星爆発により生じる爆発の光とは異なり、爆発後も非常に長い間光り輝く残骸についていったいどういった作用が働いるのかというのが今回の研究内容です。

研究の対象となったのはティコ(SN 1572)と名付けられた超新星爆発です。1572年に爆発を起こしたティコは爆発により約9000km/sの速度で鉄といった重い元素を放出しました。実はこれら元素が星間ガスに衝突することで衝撃波が形成され、マッハ300の外向きの衝撃波とマッハ1000にも達する内向きの衝撃波が形成されるそうです。これにより、X線が生じていることを今回ハーバード大学の研究チームが発見しました。

星雲
超新星爆発により誕生した星雲

ティコはデンマークの天文学者ティコ・ブラーエによって初めて観測、記録されたことから名前が付けられました。1572年11月11日(6日)に地球上で観測され、実視最大光度はマイナス4等級。肉眼では金星とほぼ同じ明るさで輝いていたと記録が残っています。光は肉眼で1574年3月まで確認できたとしています。