天体

太陽系にあてはめると海王星軌道のはるか外、主星から977億キロメートル離れた位置を公転している天体HD 106906 bを発見しました。

アリゾナ大学を中心とした国際研究チームは恒星を公転する太陽系外惑星として、最も遠距離を回っている天体を発見したと発表しました。

天体は地球から300光年離れたHD 106906を公転しています。HD 106906は太陽の1.5倍の質量のある恒星で、HD 106906bは主星よりも約654AU(1AU=地球と太陽の平均距離、約1億5000万km)の位置を公転していることが明らかになりました。

HD 106906 b
▲★マークは恒星HD 106906の位置、緑の破線円が太陽系の海王星軌道、右上のHD 106906 bが新たに発見された惑星

ただそれだけの話しと思いきや、実はこれまで考えられていた惑星形成理論では主星よりも654AU離れた距離では木星質量の11倍という巨大天体は形成することができません。そこからいくつかの理論が提示されたのですが、1つは主星が誕生する惑星形成初期の円盤が崩壊したか何らかの影響によりあの位置に留まったというもの。しかし、これでも質量が足らないということが判りました。

最新の理論によると、この恒星系の中に別の小さな恒星系が生まれたことでHD 106906 bが誕生したと考えられているそうです。

ちなみに654AUがどのくらい離れているのかというと、先日ボイジャー1号が太陽圏と星間空間の間の衝撃波領域に達したと発表がありましたが、そのボイジャー1号は現在太陽から126AUを移動中です。

参考:Technobahn