火星

先日、火星探査車キュリオシティがあげた6つの成果を紹介しましたが、そこには火星地表での放射線量の測定があります。これは将来人類が火星地表に降り立つときの有力なデータなのですが、人間が暮らすには厳しい火星環境が明らかになりつつあります。

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キュリオシティに搭載された放射線評価検出器「レディエーション・アセスメント・ディテクター(RAD)」によると、火星の空間線量1日平均0.67mSvになることが判りました。火星における地上の放射線は何れも自然が発生させるもので、1つは宇宙から来るgalactic cosmic rays(銀河宇宙線)とsolar energetic particles(太陽エネルギー粒子線)です。

この2つは地球にも降り注いでいるものの、火星は地球に比べ大気圏が希薄で生物に有害な放射線が地表まで届いてしまいます。また、火星では2種の放射線が十分なエネルギーを持っていた場合、火星地表面を貫通し、2次的な粒子を発生させることで地球には見られない複雑な放射性環境を生成していることがわかりました。

火星地表付近における放射線評価検出器の観測では銀河宇宙線の平均は1日あたり0.67mSV(2012年8月~2013年6月)。これは毎時28μSv、単純計算で年間換算で244mSvとなり福島第一原発事故で日本が定めた帰還困難区域(年間積算放射線量が50mSvを超えるエリア)をはるかに超える数値になります。

また、放射線評価検出器は火星に向かう宇宙空間でも観測を行っており、銀河宇宙線の放射線量は1日当たり1.8mSvとなりました。

1回のミッションで宇宙飛行士は引退?

これら数値をあわせた結果、現在想定されている500日の有人火星ミッションを行った場合、行って帰るまでの合計被曝量は1Svになることが分かったといいます。(1シーベルトの放射線被ばくを受けた場合、人間の生涯の発がん確率は5%上昇することいわれている)

放射線から被曝を防ぐには宇宙船や火星の居住施設に厚いシールドを設けるなど新しい技術開発が必要です。仮に何も対策をせず火星に行った場合、宇宙飛行士は二度と火星には行けないどころか宇宙飛行士を引退しなければなりません。これはNASAは宇宙飛行士の被曝量を設けており男性は生涯で800mSv(0.8Sv)、女性は600mSv(0.6Sv)を超えてはならないとしているためです。

参考:ScienceNewsline,NASA
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