宅配便

先日中国で、宅配業者内の倉庫で保管してあった人体に有害な物質が漏れだし、これに汚染された複数の商品を客に届け、死亡させるという事件が発生しました。

2013年12月20日、中国・山東省のテレビ局・山東電視台の報道番組「早安山東」は、同省東営市で20日前に発生した毒物死亡事件を取り上げた。斉魯網が伝えた。

東営市広饒県に住む主婦・焦(ジャオ)さんは、娘さんのためにネットショップで子供靴を購入。商品は宅配便ですぐに届いた。受け取った焦さんの夫は「変なにおいがするから、靴をベランダに置いたよ」と話した。焦さんは、「新しい靴は特有のにおいがするもの」と思い、不審には思わなかった。

Record China
今回死亡した男性の身にいったい何があったのか。焦さんの夫によると、靴の入っていたパッケージには黒い謎のシミが出来ており、靴にも黒い液体がついていたといいます。夫はこれを拭き取っていたところ、しばらくしたところ「気分が悪い」と体調不良を訴え、病院に搬送されました。しかし、直後に危篤になりそのまま死亡してしまったとのことです。

警察当局の調査によると、夫が拭き取っていたシミは人体に有害なトリフルオロ酢酸だったことが判りました。このトリフルオロ酢酸は宅配便会社大手の園通快逓灘坊支店の倉庫に保存されていたもので、焦さんが注文した靴と同じ倉庫で保管されていたといいます。しかし、トリフルオロ酢酸が漏れ出ていたことがわかり、ひどく汚れたものは廃棄し、汚れが少ないもののはそのまま配達したといいます。ちなみに、漏れ出したトリフルオロ酢酸で同支店の従業員4人が中毒を起こしていたとのことです。

トリフルオロ酢酸は国際化学物質安全性カード (ICSC) によるとヒトの身体への暴露について、「あらゆる接触を避ける」とし特に水中生物への有害性が高いため、漏洩物処理については「環境中に放出してはならない」と記されています。