バレイスキー

暖斜面でストックを使い3Dや2回転の技を繰り出す競技『バレエスキー』。実は1980年代~90年代にはオリンピックの公開種目にはなったものの正式種目にはならず、現在は既に幻になりつつあります。今回は、今なら評価されるかもしれないバレエスキーについて紹介していきます。

スキーといえば冬を代表するスポーツなのですが、今では幻となっている『バレエスキー』という謎のスポーツがあったのはご存知でしょうか。

バレエスキー(英:Ballet Ski)は1996年にアクロ(Acro)に名称が変更されます。しかし、1999年にアクロ用のストック、スキー板等が製造されなくなり、現在は数えるほどしかいない競技人口になってしまいました。

ではこのバレエスキーはどのようなスポーツだったのか動画を紹介します。



このようなスポーツなのですが正直なところ、スキーをやっている身からすると『ありえない動き』に衝撃を受けました。動画では5秒後に行っている技。よく見ると足を左右にクロスした状態で前方に720°、つまり2回転しクロスしたまま着地しています。

現在これに似たスキーの動きはフリースキーやフリースタイルスキーと呼ばれるスポーツでグランドトリック(滑りながら技を行うこと)があるものの、足首が自由に使えないハードブーツでは2回転という回転数は物理的に不可能なレベルです。そして16秒あたりに行う謎のストック技。


バレエスキーについて調べたところ、元は五輪競技でもあるモーグル・エアリアルと並びバレエの3つの競技で構成されるフリースタイルスキーの一つでした(ノルディックスキーというスキージャンプとクロスカントリーと同じ)。しかし、これらの競技はそれぞれ競われるようになりモーグル、エアリアルは何れも五輪種目になったもののバレエスキーに限っては正式種目ではない公開競技になったものの結局は叶いませんでした。



バレエスキーで使用されている器具について板は男子は最低140cm。ただし身長170cm以下の場合は130cm。女子は最低130cmで身長160cm以下の場合は120cmと規定されています(18歳以下は制限無し)。ストックは最長で身長までと規定されており太く丈夫なものが専用に作られていたそうです。ビンディングは一般的に解放しないものが使用されています。

何故バレエスキーはオリンピックの正式種目にならなかったのか。Wikipediaには「ジャッジが主観的に過ぎるなどの理由で正式種目にはならなかった」とされており、他のサイトでは「特殊な器具を必要なことと指導者不足、とっつきにくいこともあって無理だった」とされています。

参考:Facebook,Fski.com