太陽系

太陽系が誕生してから46億年。常に安定し、太陽系自体は何の変化もなかったような感じがしますが、実はここに来るまで太陽系の形というのは幾つかの劇的な出来事により今の形になったとハーバード・スミソニアン天体物理学センターの研究者が説明しています。

我々の太陽系は、8つの惑星と小惑星によって構成された安定した秩序に満ちた世界のように見えるかもしれない。

しかし、実際のところ、本当の太陽系の歴史は、もっと劇的なものだったのかもしれない。巨大惑星が軌道を変え、それに伴い惑星間物質が吹き飛ばされる。小惑星帯に関わる新しい研究から、こうした太古に生じたかもしれない太陽系の劇的な歴史のヒントが見つかった。

「私たちは、巨大惑星がまるで、スノーボールの中で降り注ぐ雪のような小惑星帯の中を横切ったという太古に起きた太陽系の劇的な変化の証拠を見つけたのです」とこの論文のリードオーサーとなるHarvard-Smithsonian Center for AstrophysicsのFrancesca DeMeoは述べる。

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火星と木星の軌道の間に広がっているのは小惑星帯です。従来の研究で、このアステロイドベルトは木星の重力により惑星を形成できなかった残りだと考えられてきたといいます。

しかし、ここ最近の小惑星帯に関わる新しい研究により、何らかの理由で今の軌道に留まったとという説があるそうです。これは太陽系初期の形成理論では本来、木星は現在の火星とほぼ同じ軌道を公転しており今の軌道まで移動したというものです。

この時、小惑星帯軌道に突っ込んだ木星により小惑星の実に99.9%がかき乱され、一部は太陽系の外に、一部は他の天体に、そして地球にも次々に衝突していったとされています。実はこの小惑星の衝突が地球に水をもたらしたと考えられているそうです。

現在残った小惑星は0.1%、数は数百万個とされています。映画などでは小惑星をくぐり抜けるために宇宙船を機動行動させて衝突回避するものの、実際は一つ一つが地球と月の距離も何倍も離れており、これまで小惑星帯を通過した探査機について『小惑星に激突した』という報告は一度もありません。