Mi-10RVK_1

かるく気持ちわるい姿をしたこちらのヘリ。製造したのは「Mi」シリーズでお馴染みM・L・ミーリ記念モスクワ・ヘリコプター工場なのですが、実はこのヘリコプター、巡航ミサイルを輸送する派生型が存在していました。

1965年に試作されたのは輸送ヘリMi-10の派生型Mi-10RVK (9K74)です。あまり詳しく説明されたサイトがないので詳細は不明ですが、Mi-10Rという派生型は長脚型、Vは試作を指す言葉になっています。

Mi-10RVK最大の特徴はヘリコプターミサイル複合体という、巡航ミサイルを運ぶだけに試作された機体で積載しているのは9P116というランチャー、飛翔体は4K95(S-5V)になっています。9P116は有人により操作され、乗員は3名。ランチャー及び飛翔体は海軍で使用されるものの派生型か、その後に続く対艦ミサイルにつながった兵器と思われるのですが、詳細は不明です。


Mi-10RVK_2

Mi-10RVKは試作後どうなったのか。残念ながら量産はされなかったどころか、試作機を開発したその年に開発を中止されたようです。理由は「飛行に適さない」というものと、ミサイルの4K95に問題があったとも言われておりミサイルについても同年に姿を消しています。

9P116_1

9P116_2

こちらがランチャー。製造したのはロシア最古参の自動車メーカーで知られる『ZIL』といわれています。当時はZIL-135Vとも呼ばれていたそうなのですが、後に9P116になったようです。ランチャー自体は1962年前後から極秘開発されたものだと言われています。全体の重量は12トン。着陸後展開に要する時間は5分とされていました。
飛翔体の射程は200km前後で、巡航速度は185~200km/hといわれています。