A-10-U-2

アメリカ軍は2015年予算案で攻撃機『A-10』、高高度偵察機『U-2』を今後退役させ、新技術への支出を増やすという内容で予算を要求していると報じられています。

米空軍はフェアチャイルド・リパブリックA-10ウォートホグおよびロッキード・マーティンU-2情報収集監視偵察機を退役させ、新型技術への支出を増やす内容の2015年度予算要求を提出する。

ペンタゴンは厳しい選択をするにあたり「装備の量より性能を重視」したとする。チャック・ヘイゲル国防長官が2月24日に記者会見で明らかにした。「空軍の機材近代化事業の中核として、爆撃機、共用打撃戦闘機、新型空中給油機を守った」

上記三項目の空軍優先事項に加え、国防総省は追加予算10億ドルで「有望な次世代ジェットエンジン技術」を開発すると同長官は発言。新エンジンは低燃料消費と保守点検工数を削減してコスト節約が期待されている。

航空宇宙ビジネス短信・T2
ファンが多いことで知られるA-10なのですが、今回空軍が提出するという2015年度予算要求ではU-2偵察機と共に今後退役させるということが盛り込まれているといいます。

A-10


この理由について航空宇宙ビジネス短信・T2によると、チャック・ヘイゲル国防長官の話しとしてA-10は配備から40年が経過し保守点検も非常に困難かつ高価になっている点を上げ、さらにA-10が行うであろう攻撃内容が他の航空機でも行えるようになったというものです。また、A-10だから行えるという低速、低高度で対地目標に攻撃するという攻撃方法について、敵の対空装備が高性能化しており、このような環境下では生存が困難であるとも述べています。

U-2


U-2については全機退役する代わりに、穴埋めとして無人偵察機RQ-4(グローバルホーク)を使用するとしています。ただ長官によるとグローバルホークの性能がU-2よりも低かったり、コストが高いという欠点があると指摘されており、案の賛否の差は殆どなかったといいます。

米軍については国の財政事情により国防予算の削減が行われており、先日も陸軍兵力は第二次世界大戦以後最小規模にまで削減されると報じられていました。削減は陸海空で行われているいるのですが、ヘーゲル長官自信は今回の案に「(財政事情から)これが現実というものだ」と述べています。