南極

南極大陸で研究を行う拠点となるのが各国の南極基地なのですが、ここから排出される『排水』が周辺の水域を汚染している現状が明らかになりました。

 南極大陸には、この地球上でも有数の汚れなき環境がある。だが今、その南極が汚染問題に直面している。汚染源は、まさにこの大陸を守ろうと懸命に努力している人々だ。

 南極全土に何十もある観測基地には、科学者を中心に、多いときには5000人が生活する。そこから出る排水が、有害な化学物質を環境中に放出している。その物質はさらに、ペンギンをはじめとする野生動物へと取り込まれていく。

 最近問題視されるようになったのは、ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)という毒性のある難燃剤だ。

NATIONAL GEOGRAPHIC
マクマード基地
マクマード基地

南イリノイ大学の環境毒性学者ダー・チェン氏と海洋科学者数人の研究チームは自国のマクマード基地(アメリカ)と近隣のニュージーランドの基地周辺から塵と汚泥からサンプルをとりました。

結果は予想を超えており、(HBCD)という毒性のある難燃剤の濃度はアメリカやヨーロッパの高度に都市化された地域近くを流れる河川の汚染濃度に匹敵する数値だったとしています。HBCDはこれまで行われた研究から齧歯類や魚類に対し甲状腺ホルモンを乱すことがわかっています。

南極には30ヶ国、70箇所の基地が設けられ常時1000~5000人が研究を行っているといいます。また最近は一般の旅行者も多く訪れる観光地になりつつあります。

環境が汚染されている現状についてなぜこれまで対策が取られてこなかったのか。チェン氏によると「多くの科学者を含め、大半の人は、南極大陸の主な汚染源は、南半球各地から遠く運ばれてくる汚染物質だと考えていた」とし、基地からの汚染であることはこれまで考えられていなかったといいます。

航海や陸上の移動技術の向上で安全に研究を行えるようになったのですが、そこにいる野生動物にしてみては私達はいてはほしくない生物なのかもしれませんね。

南極に広がる外来植物

南アフリカにあるステレンボッシュ大学の研究チームは南極では見られない一年生植物のイチゴツナギなど外来植物が定着している理由について、観光や学術調査などを目的として南極半島を訪れる人数が急増した結果だという論文を発表しています。

許可を得た南極訪問者のおよそ2%にあたる853人分の着衣、靴、バッグ、装備品の付着物を吸引装置で採取した結果、 植物の繁殖体(種子など)が2600個みつかり、南極で見つかった外来植物の多くは渡航者から持ち込まれたものだという実態が明らかになったとしています。 
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