T-72

映画やゲームと勘違いしてしまいそうな、あまりに非現実的な映像がYoutubeで公開されています。これはシリアで現在も行われている内戦で、シリア軍の戦車から撮影されたものです。

誰もいない街で市街戦の様子を撮影したという約1時間の動画。撮影したのはシリア軍側のT-72というロシア製(旧ソ連)の戦車及びBMP-2からなのですが、撮影の前方で砲撃を行っていた戦車が反体制派の対戦車ロケットで吹き飛ばされるなど、衝撃的な映像内容となっています。

今回紹介する映像は若干刺激の強い内容となっていますので閲覧は各自の判断で行ってください。



戦車が攻撃されるシーンは動画で40分頃から始まります。映像は編集されておりシリア側と反体制派の双方が撮影した映像構成になっています。

攻撃され大破した戦車はT-72というモデルで、中東に大量に輸出されています。動画を見る限りだと対戦車ロケットに対応するべく戦車には四角い爆発反応装甲が複数付けているのですが、反体制派はこれを無効化するタンデム弾頭を使用していたことが分かります。

▼肩に担がれたタンデム弾頭(成形炸薬弾)
タンデム成型炸薬

タンデム弾頭(Wikipedia)

近年の砲弾やミサイルの弾頭では、成型炸薬を二段構えにして、大型のメイン弾頭の直前に小型の弾頭を配置したものがある。これは、成型炸薬弾防御のための爆発反応装甲に対抗するためである。小型のサブ弾頭があらかじめ爆発反応装甲を起爆させ、その後にメイン弾頭が突入することによって装甲を打ち破る。

ロシアの戦車に搭載されている125mm戦車砲用の砲弾には2段ではなく3段構えになっているものもある。タイミング調整のため、高度な電子技術を要し、弾頭同士の相互作用を防ぐ隔壁技術も必要である。このため、生産費用が高い。
現在もシリアでは内戦が続いています。日本では考えられない映像にみなさんはどう感じられてたでしょうか。