ナナフシ

ナナフシという虫は皆さんご存知かと思われますが、実はこの独特の姿は1億2千万年前、白亜紀からこの姿だったことが明らかになりました。

最初の鳥が飛び始めるのとほぼ同じころ、ナナフシは植物に変装することを覚えていたらしい。顕花植物の出現以前、およそ1億2千万年前から、ナナフシは植物の葉に扮していたという研究結果が発表された。

「われわれの祖先は、1億2千万年も前から、既に枝や葉を擬態した昆虫によって騙されていた」と、この研究の 共著者でパリ、ソルボンヌ大学のオリビエ・ベソー(Olivier Bethoux)氏は語る。「この発見により、顕花植 物の出現以前から、ナナフシを含む様々な昆虫による植物擬態が行われてきたことが明らかとなった」。

NATIONAL GEOGRAPHIC

ナナフシの化石

どうしてナナフシは擬態を行うようになったのか。理由は当然明らかになっていないのですが、誕生したその時、視覚的に昆虫を捕食する初期の鳥類や哺乳類の時代が到来していたとされています。

これまで、ナナフシは時代的には今から1億年前。大被子植物分化という顕花植物が最初に広く多様化した時期に誕生したと考えられていたのですが、それから2000万年ほど早まったという形になりそうです。

またナナフシの近縁種の化石ついてはさらに古い時代の化石から発掘されているものの、擬態を行っていたという特徴は合わせ持っていないとのことです。 現在、ナナフシ目に属する虫は3000種以上確認されており、今も擬態をし捕食動物の目から逃れています。