三峡ダム_1

世界最大のダム中国の三峡ダム。貯水量は黒部ダムの200倍以上、琵琶湖の1.5倍とよく分からない数値になっているのですが、1000年で数回しかないという地震が周辺地域で激増しているといいます。

2014年3月31日、東方早報によると、中国湖北省宜昌市のシ帰県で3日間に2回の強い地震が立て続けに発生した。同市には世界最大規模の水力発電ダム・三峡ダムがあるが、今回の震源地から25キロほどしか離れていない。余震は330回以上にも上っている。省地震局によると、地震による死傷者はなく、ダムにも影響は出ていない。

省地震局のダム誘発地震研究当局者は、2回の大きな地震について、「いずれも地質構造の断裂と関連性があるとみられる」と話している。また、三峡ダムの貯水との関連性も指摘し、研究を継続する必要があるとした。今後も強い地震が発生する恐れはあるものの、大きな被害をもたらすような揺れが起きる可能性は低いという。

Record China
実際にどのくらい地震が増えているのかという点について、同県の歴史を記したという「県志」から判断するということが行われているそうです。この県志によると、西暦985から1985年の実に1000年間で体に感じる地震はわずか6回。しかし、三峡ダムが完成し貯水を始めた2003年には18回(うち貯水完了後は15回)、2014年3月に2回の強い地震が発生し、余震は330回を超えるとしています。

三峡ダムと地震の関連性について、2010年5月に三峡ダムがさまざまな弊害を引き起こしていることを中国政府が認めたとされています。

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▲三峡ダムで発生したがけ崩れ(2009年)

三峡ダムは建設後、水の浸透と水圧そして地震によりダム湖斜面や周辺地盤でがけ崩れが発生しています。実際に、完成前の2008年末の時点で132カ所(2億立方メートル)で崖崩れが発生しており、更なる崖崩れを防止するため、水位を2.5メートル低い172.5メートルに設定した経緯があります。

2012年にはがけ崩れ等の補修工事を行うことを決定したのですが、これにより周辺で暮らす10万人が立ち退きを行うことが決まり、また2020年までに230万に対し退去を言い渡されるとしています。

ちなみに、中国政府はこれら住民の波乱を恐れ、人民解放軍による地対空ミサイル4基、陸軍ヘリコプター大隊1隊、高速哨戒艇8隻、機動中隊24隊の約4600人による警備が行われています。(参考)