マグネター

宇宙に存在する超強力な磁場をもつ天体「マグネター」。最近マグネターについてどのように誕生したのか研究進められた結果、連星と何らかの関係がわかったとしています。

【5月15日 AFP】わずかスプーン1杯の量で10億トンもの質量を持つ「マグネター(帯磁星)」と呼ばれる超高密度の天体の謎が解明されたかもしれないと、科学者らが14日、発表した。マグネターの磁場は地球の数百万倍にも上る。また「星震」と呼ばれる天体外層での突然変化で大量のガンマ線を放出することがある。

 中性子星の一種と考えられているマグネターについては、これまで謎に包まれていた。中性子星は、大質量の恒星が自らの重力により崩壊して超新星爆発した後に起きうる2種類の帰結のうちの1つだ。

AFPBB News
中性子星の一種とされているのはマグネターという天体です。中性子星は太陽質量の0.1~2.5倍ある恒星が超新星爆発することにより誕生するのですが、形成された中性子星の直径は20kmと小さいながら質量は太陽とほぼ同じ。中性子星における1cm3あたりの質量は約10億トンになるとされています。

そのような中性子星のおよそ1/10がマグネターと呼ばれる天体になるとされています。その磁場は108テスラ~1011テスラとされ、地球磁場の30~60μテスラに比べて桁違いの磁場があることが分かっています。

I型超新星
▲恒星のガスが片方の恒星に移りIa型超新星を発生させる過程の画像

今回の記事は欧州南天天文台の研究により、マグネター「CXOU JI64710.2」の形成について新たな事実が分かったというものです。これは「ウェスタールンド1-5」という恒星は実は将来のマグネターであるもうひとつの小さい恒星からなる連星で、時間経過とともに赤色巨星となったウェスタールンド1-5の外層(ガス)が小さい恒星に移動し始めたことで高速に回転し始め、I型超新星爆発を発生させた後、マグネター「CXOU JI64710.2」を形成したというものです。

欧州南天天文台によるとマグネターの形成は2つの恒星で、連星の『質量の移動』による天体の『高速回転』が必要であると考えているそうです。