蟻

みなさんも一度は蟻に噛まれたことがあると思います。小さい蟻でも痛みを感じるほとどものなのですが、オハイオ州立大学の研究チームは蟻が秘めた強い顎について研究を行いました。

アリは自分の体重の何倍もの重さのものを持ち上げることができる驚異的な顎を持っている。Ohio State Universityの研究チームによるこのアリの顎に関わるバイオメカニクスに関わる新しい研究成果は、このアリの顎のメカニズムをロボット工学に応用することに道を開くものとなるだろう。

Ohio State Universityのエンジニアリングチームは、Allegheny mound ant (Formica exsectoides)の顎の持っている機械的デザイン、構造、そして材料特性をラボにおける実験やスーパーコンピューターを使ったモデル解析の手法を使って解明する試みにチャレンジした。
 
Technobahn

蟻は種類にもよるのですが、自重の約100倍の重さを持ち上げることが分かっています。これを人間に置き換えると体重60kgの人が6トン。蟻は手ではなく口(顎)で持ち上げるのですが、一体どのような構造が強靭な力をもたらしているのでしょうか。

オハイオ州立大学の研究チームはマイクロCTを用いて蟻の頭をX線撮影、そこからコンピュータ上で3Dモデルを作成し、スーパーコンピューターで演算を行いました。

その結果、顎の接合部分には蟻の自重の約5000倍の重さに耐える強度があることがわかりました。また、この強度は顎の結合部分は頭がまっすぐに正面を向いている時に最大の数値を示すとしています。 

強靭な顎は硬質材と軟質材の組み合わせからできていることもわかり、これが蟻が秘めた強い顎の元となっているとしています。

人工的に蟻の顎と同じような構造を作り出すというのは難しいと思われるのですが、これまで考えられなかった大型の建物を作れるようになったりと様々な場面で活躍が期待できそうです。