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先日、ロシアではソユーズに替わる次世代宇宙船が開発されているとし、「クリーペル(クリッパー)」とう小さい翼のついた宇宙船を紹介しました。実は、クリーペルは既に廃案になっているらしく、PPTS(Prospective Piloted Transport System:写真)が正しいとのことです。

ソユーズ宇宙船などロシアの宇宙開発に関わるRKKエネルギアのミハイル・レシェトニコフ課長が4月に「今年末までに(新型)宇宙船と宇宙船の打ち上げに必要な装置に関する書類が準備される。2015年から2017年にかけてテストや完成に向けた部分的な実験が行われる」とコメントしました。

このことついて前回の記事ではロシア名『クリーペル』、英名『クリッパー』になると記事にしましたが、その後調べたところ、クリッパー案は既に開発中止になっており、PPTS(Prospective Piloted Transport System)というものが正しい次世代の有人宇宙船とのことです。

▼PPTS
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▼ソユーズとPPTSのサイズ比較
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 PPTSの仕様としてはISSなど低軌道ミッションでは全体重量12トン、6人と500kg未満の貨物。月探査ミッションでは4人と100kg未満の貨物を搭載出来るよう設計されています。また「着陸は4本の足で行なわれる」と述べられていたとおり、着陸時逆推進をかけ着陸するという要は、民間宇宙開発企業スペースXのドラゴンV2と同様の思想になっているそうです。

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このようにPPTSとクリッパーに求められた仕様が似ているのは次世代宇宙船の行き先が同じだからという理由です。なぜ廃案になったのかは、欧州宇宙機関(ESA)も関わっているともされています。実は欧州宇宙機関はアメリカで既に廃案なったコンステレーション計画に参加しようとしたものの拒否され、その後ESAはロスコスモス(ロシア)と共同開発を進めることになったようです。

この時、ロシアにはクリッパーを次世代宇宙船にしようとしたところ、2005年ESA側に拒否されCSTS(後のACTS)を共同開発しようという提案がありロシア側が了承したそうです。しかし2009年、ロスコスモスはクルニチェフ国家研究生産宇宙センターより旧ソ連時代の宇宙船TKSを発展させた次世代宇宙船の提案を受けており、結局CSTSから撤退。ロシアは独自で宇宙船「PPTS」の開発を進めることになったという流れのようです。

ロシアのRKKエネルギアが開発していたクリッパーもコストを削減するよう設計された機体ながらそれなりに高いモノだったとされています。また、クリッパーは当初から外国からの大規模な経済支援を受けることを前提に開発が進められていたそうで、支援が受けられないと分かった時点で運命は決まっていたそうです。日本の愛・地球博やフランスで積極的に展示されたのも実はこういった理由のようです。

▼クリッパーのCGモデル
クリッパー
Photo:Armin Schieb

参考:Wikipedia 
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