中温動物と恒温動物

地上を長らく支配していた恐竜の謎として恒温動物か変温動物だったのかというものがあります。最近米科学誌に掲載された内容では、どうやら両方の中間に位置する『中温動物』だったのではないかという説があるそうです。

私達は恒温動物といい、気温や水温といった周りの温度に関係なくほぼ一定の体温を保つ動物です。一方、変温動物は自力で体温を安定的に保つことができず、たとえば日光浴や日が登り始めてから体温を温め活動を開始するという特徴があります。変温動物はカエルやトカゲといった爬虫類、魚や昆虫です。

では恐竜は恒温、変温どちらだったのか。 この疑問についてニューメキシコ大学を中心とする研究チームは恒温動物と変温動物の中間に位置するという新たな中温動物(mesotherms)に分類しました。これは数種の恐竜の化石にみられる成長輪(年輪)を測定し、誕生から成体になるまでの成長パターンを推定。そこから絶滅種と現存種の400種の基準値から判断し、恐竜の代謝速度がこの両方の中間に位置していたため中温動物となりました。

アロサウルス
アロサウルス

研究チームによると現存種ではマグロや特定のサメ、カメなどが中温動物のカテゴリーに分類されるとしており、「これらの動物は、体温を維持するために体内で生成された代謝熱に依存する場合がある一方で、別の場合には外部の気温に左右されることもある」と指摘しています。ただ、現存種の中温動物に分類される種は少ないと話しています。

恐竜は恒温動物なのかそれとも変温動物なのか。19世紀より100年以上どちらだっったのかと様々な説が出たのですが、今回はどちらでもある中温動物という結論に達しました。また恐竜があれほど大きく進化した理由も中温動物に理由があるのではないかと話しています。