マントル

地球表面を覆う大量の水。これとは別に地球深部にも大量の水があるとされているのですが、その証拠とも言える発見があったと報じられています。

Northwestern University と the University of New Mexicoの共同研究グループは、北米大陸の深部に第二の海洋とも呼ぶべき大量の水が存在している証拠を発見した。今回発見された水はいわゆる我々が良く知っている水とは大きく異なる。この水は地球のマントルにおいて岩石と強く結びつくことによって存在しているものとなる。今回、存在が確認された水は、地球の深部は地球における最大の水の貯蔵源であることを示している。

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今回研究を行ったノースウェスタン大学とニューメキシコ大学の研究者によると、北米大陸の地下約643kmに存在するマグマポケットを発見しました。実はこのマグマポケットが重要な存在とされ、周囲に大量の水が岩石に閉じ込められ存在すると考えられています。これらマグマポケットはプレートの移動と共に地下深くまで送られマントルの層に取り込まれています。
研究者らはプレートの移動による水の循環を長年研究しており、実際にマントルの層に取り込まれている水の量は地表を覆う海水の約3倍に相当すると主張しています。


地球深部に存在する水の量について、アルバータ大学(カナダ)を中心とする国際研究チームは2008年ブラジルの火山から採取された商業価値の無いダイアモンドを20ドルで購入したところ、リングウッダイトと呼ばれる高圧鉱物が偶然含まれていたことがわかりました。

▼リングウッダイト
リングウッダイト

リングウッダイトを含む鉱物は地球の上部マントルと下部マントルの間に存在する410~660キロメートルにあるとされ、偶然みつかったリングウッダイトは1.5%の質量が水からできているという研究結果から地球表面にある水の総量を遥かに超える水が地球深部にあると考えられています。

リングウッダイトはこれまで隕石からは発見されていたものの、地球上で作られた鉱物から発見された初成果となりました。