NZERTF

アメリカ、ワシントンDCの郊外にあるテスト住宅が建設されました。これはアメリカ合衆国商務省配下の国立標準技術研究所が研究用に建てた住宅なのですが、ソーラーパネル等の設置により4人家族が消費する以上の電力を作り出すことが可能だと証明されたそうです。

今月1日、稼働から1年を迎えたのは『ゼロエナジーテスト住宅』(Net-Zero Energy Residential Test Facility (NZERTF))です。冒頭でも紹介したとおり、国立標準技術研究所が建設したもので、家庭向けの太陽光発電装置等を設置することで消費する以上のエネルギーを生み出すことは可能かどうか実験が行なわれました。

NIST Test House Exceeds Goal; Ends Year with Energy to Spare - Technobahn

結果はアメリカ、メリーランド州の4人家族(両親が働き8歳と15歳の子供がいる家族)が1年間で消費する平均電気料金、4,400ドルを生産できるだけではなく、余剰電力を売電するすることで利益を得られる結果が出たと報告されています。

具体的にゼロエナジーテスト住宅は2,700 平方フィート(252平方メートル)の床面積のある家(2階建て、4ベッドルーム、3バスルーム)で、1年間に作り出した電力は13,577kw/h、余剰電力は491kw/hでした。また試験が行なわれた1年間の内、1ヶ月以上の38日間はソーラーパネルの上に積雪がありました。

ゼロエナジーテスト住宅に設置されていたソーラーパネルはアメリカのグリーンビルディング(LEED)が定めた最高の発電効率のあるプラチナスタンダードを満たしたもので、また太陽熱で温水を作り出す太陽熱温水器、低消費電力の家電も設置されているとのことです。

研究者によると「色々な面を考慮しても十分な余剰電力を得ることができた」と話しており、今回の実験結果から米国内の住宅建設に活用していきたいと話しています。カリフォルニア州では2020年を目処に新しく建てられる住宅についてゼロエナジー住宅を満たすことを法制化するという案もあるそうです。 

ちなみに、ゼロエナジーテスト住宅は3重窓ガラスなど極めて優れた断熱性を各所に配置しており、建設コストはメリーランド州の一般的な家よりも16万ドル、約1600万円程高くなるとのことです。