北朝鮮の潜水艦

水中から陸上まで様々な目標を攻撃出来る潜水艦は世界の海軍に配備されていますが、海外の軍事評価機関によると、各国の潜水艦の配備数は北朝鮮が最も多いと発表しています。

2014年7月28日、環球時報(電子版)によると、世界の潜水艦保有数ランキングは北朝鮮が78隻でトップであることが分かった。続いて米国(72隻)、中国の順だった。 

米インターネットメディアのビジネスインサイダーが、軍事力評価機関のデータとして伝えたもの。中国に続いてロシア、イランの順。日本は16隻、韓国は14隻だった。今回発表されたのは保有数のみで、船体の大きさや用途などは不明という。 
イギリスの外交・安全保障政策の研究機関「国際戦略研究所(IISS - International Institute for Strategic Studies)」はミリタリー・バランスという報告書を毎年発表しており、各国の潜水艦の保有数等が発表されています。

「用途やサイズは書かれていない」とのことなのですが、ミリタリー・バランスには動力や潜水艦の種類に至るまで簡単にまとめられています。有料データなので詳細は分かりませんが2012年のデータでも北朝鮮が1位となっており72隻、続いて中国が71隻、ロシア65隻、アメリカ57隻となっています。

こちらも2012年のデータよると、ロシアは攻撃型潜水艦から弾道ミサイル原子力潜水艦まで多彩な配備が行なわれている一方、アメリカは通常動力(ディーゼル機関) 型潜水艦は1隻も保有しておらず巡航ミサイル原子力潜水艦(SSGN)だけで保有数は40隻を超えています。

▼北朝鮮のロメオ級潜水艦(2014年)
ロメオ型潜水艦(北朝鮮)

北朝鮮の潜水艦については金正恩氏、潜水艦に乗艦するで紹介したとおり、旧ソ連時代のロメオ型潜水艦という古いタイプが多数配備されていると考えられています。北朝鮮が保有しているのは全て通常動力型潜水艦で核兵器を搭載できるような大型の潜水艦は1隻も配備されていません。

また北朝鮮には半潜水艇が配備されており少なくとも8隻がこのタイプだとしています。半潜水艇は韓国をはじめ工作員の上陸活動にも使われているもので、SP-10H型半潜水艇は全長約12m、全幅約3m、高さ約1.5m、最高速度は45ノット、航続距離は最大720km程度とされています。

▼北朝鮮の半潜水艇
半潜水艇(1983年)