マレーシア航空17便

先月17日、一般人を載せた旅客機が上空で撃墜されるという衝撃的な出来事が発生しました。過去にも誤射を含め撃墜されるという事件は発生しているのですが、旅客機にミサイル防衛システムを搭載するという動きはないのでしょうか。

2014年7月17日、乗員乗客298名を乗せたマレーシア航空17便がウクライナ上空で撃墜されました。旅客機は親ロシア派が所持していたブーク(SA-11 ガドフライ)から発射されたミサイルに撃墜されたという見方が強いものの、はっきりとした証拠はこれまで見つかっていません。

何れにしても、地対空ミサイル及び空対空ミサイルで撃墜されたことは間違いないと言われているのですが、大韓航空機撃墜事件を始め過去に3度、ミサイルによる旅客機の撃墜事件が発生しているのですが仮に旅客機にミサイル防衛システムが搭載されるとしたらどのようなものになるのしょうか。

実際に今後全ての旅客機に搭載を義務付けるという国が存在します。この国とはイスラエルで、実は2002年に命中はしなかったものの人が扱う携帯式の短対空ミサイルにより旅客機が攻撃されるという事件が発生しました。イスラエルは同年より旅客機向けのミサイル防御システムの研究開発が進められまもなく完成すると言われています。

▼イスラエルが開発してるC-MUSIC
C-MUSIC

イスラエルが開発した防衛システムは『C-MUSIC(もしくはSkyShield)』と呼ばれるもので接近する対空ミサイルに向けレーザーを照射しミサイルに誘導装置を妨害。合せて旅客機を急旋回させ回避するというものです。同システムの価格は僅か100万ドル(1億円)とされています。
ただし、世界の動きを見ると要人を輸送する機体は別として、一般人が乗る旅客機についてミサイル防衛システムが搭載されるという流れにはなっておりません。これは発生する頻度が非常に稀であることや、莫大なコストのかかった最新技術の流出など様々な理由が考えられます。


軍事の世界では10、20年後にはチャフやフレアと合せてレーザーによるミサイル迎撃システムが戦闘機や無人機に搭載されると言われています。ただし、瞬間的に破壊するための大出力レーザーと機体に搭載できる小型化という難しい技術課題が残されており、どの程度使えるものになるのかは未知数となっています。

こちらの動画は無人航空機プレデター等を開発しているジェネラル・アトミックス社が発表した無人機にレーザー兵器を搭載するというものです。