サイディング・スプリング彗星

C/2013 A1、所謂サイディング・スプリング彗星が今年の10月19日に火星に最接近します。この彗星は当初衝突する可能性があり仮に衝突すれば想像を絶する威力になるとされていたのですが、現在衝突する確率は低いと考えらているそうです。

海王星軌道のはるか外側、オールトの雲から何かの拍子でやってくるのはサイディング・スプリング彗星 (Comet Siding Spring)『C/2013 A1』です。この彗星を発見したのはその名が付いているサイディング・スプリング天文台(オーストラリア国立大学)です。

この彗星が来る2014年10月19日に火星に再接近し、その後25日地球に再接近すると予想されています。この時火星に再接近したときの距離が、地球と月の距離の4割り程度、地表から13万7760km前後になるとされています。

サイディング・スプリング彗星については当初、直径は10~50kmとされていたもののその後NASAの観測により700mであることがわかりました。合せて観測開始から171日目まで7回に及ぶ発表では当初の最小接近距離が0kmと数回発表されており「衝突する可能性が高い」とされていたもののかすめるように通過していくと考えられています。

▼サイディング・スプリング彗星の軌道
サイディング・スプリング彗星の軌道

サイディング・スプリング彗星は二度と太陽系内側に戻ってこないか公転周期が数十万年以上とされる非周期彗星とされています。また太陽に接近せず火星に再接近した時でも明るさが-8等級から-8.5等級とされており肉眼で確認することは不可能と予想されています。


ちなみに当初発表され火星に衝突した場合の予想として、火星との相対速度は約55.96km/sとなり衝突エネルギーは200億メガトン(広島型原爆は0.01メガトン)となり直径500kmと深さ約2kmの巨大クレーターを残すと考えられていました。

▼直径500kmの円
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参考:サイディング・スプリング彗星 (C/2013 A1) - Wikipedia