1999 RQ36

地球に接近する地球近傍小惑星の一つ『ベンヌ』に、なんとピラミッドのような構造物が確認されたとインド宇宙研究機関ISRO)が発表しているそうです。

直径約560m、今から150年後の数年間の間地球に最接近することが確認されている天体は1999 RQ36「ベンヌ」と名付けられた小惑星です。実はこの小惑星に何とも不思議な建造物のようなものがあると話題になっているそうです。



こちらがベンヌを撮影したという動画です。インド宇宙研究機関が発見したなどと東京スポーツ新聞社が報じているのですが、元の動画(写真)については動画内にも記載されているようにカナダの人工衛星NEOSSatが撮影したものとされています。

映像は本物か?

まず、直径が僅か560mしかない天体をどのように撮影したのでしょうか。そもそもこの映像自体が本物であるかどうかという点について途中に入る胡散臭いノイズを含め、作られたものである可能性が高いと判断されます。また、大発見にもかかわらずNEOSSatのサイトではベンヌの写真どころか動画も公開されいません。合せてインド宇宙研究機関のニュースアーカイブを調べてもベンヌに関する発表は行なわれていませんでした。

決定的なのはNASAのサイトではアレシボ天文台により観測された1999 RQ36のレーダー画像が公開されているのですが、小惑星の形状が異なる点とピラミッド型の目立つ構造物が確認されていない点です。

詳細は2019年に分かる

NASAは2016年にオシリス・レックスという探査機を打ち上げる予定です。この探査機は小惑星ベンヌに飛ばし地表のサンプル採取し地球に持ち帰るサンプルリターン計画です。サンプルを採取する前には詳細が観測される予定となっているので、謎の構造物があるのか今回の映像が本物か嘘なのかは2019年前後にも明らかになります。