第98親衛空挺師団_1

親ロシア派との戦闘が続くウクライナ東部で先日、ロシア軍所属の空挺兵10名がウクライナ当局により拘束されていたことが明らかになりました。

新華社通信によると、今月25日ウクライナド東部、ネツク南東部の村でロシアの正規軍、空挺兵10名を政府軍が拘束したと報じています。

ウクライナが違法越境のロシア空挺兵10人を拘束、ロシア「誤って越境」-新華社

ウクライナ国家安全局の発表によると、拘束されたのはロシア空挺軍第98親衛空挺師団に所属する10名でロシア国境から50km離れたところで拘束したとしています。ウクライナ国内でロシア正規軍の兵士が拘束されたのは初めてになります。

今回の拘束について、ロシア国防省の関係筋は翌26日に「兵士らは国境地帯をパトロール中、標識がないところに誤って越境する可能性がある」などと理解し難いコメントを出しています。

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▼第98親衛空挺師団の演習(2010年)


第98親衛空挺師団は、ウクライナ国境から多く離れたロシアのイヴァノヴォ州イヴァノヴォに駐屯しており、編成されたのは1944年5月です。その後、第二次世界大戦からアフガニスタン侵攻、第一次・第二次チェチェン紛争等で戦闘行動を行っています。

世界の空挺部隊は入隊の審査も厳しく、配属後も危険な任務に就くことが多いため軍の中でも精鋭部隊・エリート部隊とみなされることが多くあります。したがって、今回ウクライナで見つかったロシア空挺軍がパトロール中に“誤って”国境を超えるということは考えられません。

ウクライナでは当時から「親ロシア派にロシア軍の関係者がいる」と報じられており、拘束された兵士についてロシア側も否定していないことを考えると、ウクライナ国内にロシア軍が展開していることは事実であると思われます。


ちなみに、ロシアが保有しウクライナには存在しない戦車『T-72B』が何故かウクライナ国内を走っている姿が撮影されています。
T-72B