マースク・トリプルE級

大量の物資を一度に運べるコンテナ船は昔から使用されてきたのですが、世界最大のコンテナ船は1隻で何個運べるかはご存知でしょうか。100個?200個?今回は世界記録を更新した全長400mのコンテナ船を紹介していきます。

デンマークの首都コペンハーゲンに本拠を置く海運企業A.P. モラー・マースク・グループ。マースク社は海運企業としては世界一の売上高を誇る企業(2006年)で、125カ国に拠点を置き、コンテナ船をメインにタンカー、車両運搬船など全部で約250隻の船舶を保有、運用しています。

そんな企業が建造したのは世界最大のコンテナ船、マースク・トリプルE級です。マースク・トリプルE級はなんと全長400m、幅は59mあり搭載できるコンテナは20フィート規格のコンテナで実に18,000個(18,000TEU)です。その船が先日、17,630TEUを搭載し出港したことで、コンテナ船としては世界一多くコンテナを積んだとし世界記録を更新しました。

Mary Maersk leaves Algeciras from Maersk Line on Vimeo.


単位「TEU」とは20フィートコンテナ換算で用いられる単位で、コンテナ船の積載能力を示すときに用いられます。現在運用されているコンテナは40フィート(約12m)と20フィート(約6m)があり、40フィートコンテナを1個積めれば2TEU、20フィートであれば1TEUとなります。
つまり、今回出港したマースク・トリプルE級は17,630TEUなので、港や映画で見るような40フィートコンテナを8,815個積んだということになります。

最新のコンテナ船「マースク・トリプルE級」は同社が保有する前世代の船よりも低速(19ノット)に設計されました。理由はエコを意識したものであり、これにより燃費は最大37%削減でき、排出する二酸化炭素は50%削減できるとしています。

ちなみに1隻あたりの価格は軍用のイージス艦よりも高額な19億ドル(1900億円)で、マースク社は20隻の保有を目指しているとのことです。