カシミヤ

「天然カシミヤ100%」と謳う衣類が世に多くありますが、これは本物なのでしょうか。実は業界では世界で生産される数倍の量が『カシミヤ』として商品となり流通していると言われているそうです。

カシミヤ製品の不当表示問題に歯止めがかからないという。平成18~19年ごろ「100%」表示の繊維製品にほとんどカシミヤが使われていなかったことが発覚、業界で偽装が横行する実態が浮き彫りになった。

とくに中国産カシミヤ製品で頻発しているとされ、偽装のための表面加工に有害物質が使われるケースも。品質検査はいたちごっこの状態で、最近ではトレーサビリティー(履歴管理)が比較的容易なモンゴル産が注目され始めた。関係者は「安さをうたったカシミヤは疑ったほうがいい」と注意を呼びかけている。

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さて、この偽カシミヤについて今年100万着に及ぶ偽装カシミヤが押収されていたのはご存知でしょうか。これは2014年2月イタリアの警察が押収したもので、その後在住の中国人により輸入、製造されたものからアクリルやビスコースという化学繊維の他、ネズミの毛などが複数の動物の毛が混ざった偽カシミヤ製品であることが明らかになりました。その量はカシミヤだけで100万着で合せて偽装されたシルク、メリノウール製品も見つかっています。(参考)

生産量の7割を占める中国では羊毛や顕微鏡でも判別が難しいというヤクの毛が混入されるケースが相次いでいるとしています。偽装されたカシミヤは一般人が見た目や手触り判断することはほぼ不可能とされており、当然といえば当然なのですが、専門家による最終的な識別は顕微鏡を使って直接繊維を見るという方法がとられています。

普通に考えれば、これだけ世界的に需要があるにもかかわらず本物の『100%カシミヤ』が安価で世に出回るということ事自体おかしな話です。