レンタルサイクル

道路を埋め尽くした自転車の数々。懐かしい一昔前の中国の姿なのですが今は車に置き換わっています。そんな中国で環境保護の目的からレンタルサイクルを導入しているものの、各地で失敗が相次いでいるとのことです。

2014年9月4日、英紙フィナンシャル・タイムズによると、環境保護などの観点から世界各地で広がっているレンタサイクル(公共自転車レンタルサービス)だが、中国では管理や費用の問題で各地のプロジェクトが失敗に終わっている。5日付で環球時報が伝えた。 

世界各地、特にヨーロッパではレンタサイクルが成功している地域が多い。カリフォルニア大学バークレー校の交通研究センターによると、現在世界712都市でレンタサイクルが実施されており、自転車の総台数は80万台に達している。

Record China
さて、中国の都市部ではレンタルサイクルプロジェクトとして105箇所で実施されていたのですが、ごく一部の都市を除きそのほとんどが失敗に終わったと報じられています。いったいなぜなのでしょうか。
理由は様々なのですが、湖北省武漢市では9万台の自転車を容易したもののメンテナンスが行き届かず、大半の自転車が故障状態だったといいます。さらに無料から有料に切り替わったことで利用者が大幅に減ってしまいました。
上海市でも区ごとにレンタルサイクルプロジェクトを行ったものの1地区を除き全て失敗。こちらでは自転車を借りる保証金が自転車1台を購入するよりも高額で、バスや電車の公共交通が行き届いていない地域ではタクシーや自前の自転車を利用する人が多いとのことです。

レンタルサイクルとは文字通りお金を払って自転車を借りる事ができるサービスです(一部無料)。日本では主に都会や都市部、観光地で行なわれているそうで、東京23区のレンタルサイクルをまとめたレンタサイクルガイドによると月会費が必要だったり時間あたりの価格も様々のようです。

ただ、これだけ公共交通が発達している現代の都市部で、わざわざレンタルサイクル店に行き利用する人はどれだけいるのでしょうか。中途半端にレンタルサイクルが流行ったところで海外のように自転車専用レーンが設けられていないなど自転車に優しくない都市や国では成功する見込みは低いと思われます。