小惑星

ほぼ全ての恐竜を絶滅させた小惑星から、衝突しなくても広い範囲に被害を出した小惑星がこれまで確認されていますが、これら人類の脅威となる天体について核兵器で粉微塵にするという対小惑星兵器がアメリカで検討されていることが明らかになりました。

米国政府が地球に脅威を及ぼす小惑星に対抗するための核を用いた小惑星破壊兵器の開発の可能性を検討していることが9月30日、U. S. Government Accountability Office (GAO) が公表した核兵器備蓄の解体処理に関わる監査報告書で明らかとなった。

BusinessNewsline
アメリカ会計検査院(政府監査院)の資料により明らかになったこととして、軍事目的で保有している核兵器の削減についてその一部を対小惑星兵器として使用する案が明らかになっています。

報告書によると「備蓄核兵器の解体で生じた部材の一部は地球に落下が予想される小惑星を破壊するための惑星防衛用のための使用することが現在、政府上層部において検討が進められている」と書かれていたそうで、この手の兵器が公式に検討されることが初めて明らかになったとされています。

過去の小惑星破壊兵器

小惑星破壊兵器について「初めて明らかになった」とされていますが、過去にアメリカが開発しているとされる同様の兵器は何度か登場しています。その中でも有名なのは「Cradle」と呼ばれるもので、NASAのマーシャル宇宙飛行センターが開発を進めていたとされる人工衛星です。

▼Cradle
Cradle

Cradleの仕様もやはり核兵器を搭載し小惑星を迎撃するというもので、全長8.9メートル、重量11,035キログラム衛星本体に6発の威力可変型水爆『1.2MT B83』(広島型原爆の160倍の威力)を搭載するとしていました。


何故、小惑星破壊兵器なのか疑問が残るのですが、ここ最近隕石の落下が注目されておりその中で本来削減する核兵器を平和目的で保有しつつ、いつでも実戦配備出来るよう数を確保しておきたいという意図を感じてしまいます。

実際のところ地球全体の脅威になるような小惑星の軌道は計算されており、これに備える必要は無いとされています。一方で2013年2月にロシアで被害がでたチェリャビンスク隕石のように発見できなかったり発見できても地球に接近する数ヶ月、数週間前であることを考えると、常時打ち上げる専用のロケットを配備しなければならないというコスト面の問題も発生します。

参考:ロシア科学者「核兵器で隕石を破壊することは可能だ」 : ZAPZAP!