スズメ

街中を飛び回る鳥は羽毛の生えた恐竜「鳥類」。私達の想像する恐竜と全く異なる姿のこれら鳥類は恐竜からどのような進化を遂げたのか、最新の研究が報告されています。

鳥類には羽毛や含気骨、叉骨(さこつ)、嘴(くちばし)など、特有の特徴が数多く見られる。古生物学者た ちはかつて、1億5000万年前に生息していた最古の鳥類である始祖鳥が、恐竜からの飛躍的な進化によって現れた ものと考えていた。だが、過去20年間の新たな発見により、鳥類特有の特徴は、最古の鳥が登場するはるか前に 恐竜で進化していたことが明らかとなっている。

NATIONAL GEOGRAPHIC
これはスコットランド、エジンバラ大学の古生物学者らの研究により明らかになったもので、現在の鳥類は恐竜達が登場した三畳紀後期、2億3000万年前のその直後から現在の鳥類として徐々に進化していったということが分かったとしています。

▼始祖鳥の化石
始祖鳥

研究によると、始祖鳥で有名な『最古の鳥類』の化石から1億5000万年前(ジュラ紀後期)に生息していたことが明らかになっているのですが、これら鳥類の祖先が恐竜から突然羽毛が生え飛行能力を有したという『飛躍的な進化』ではなく、三畳紀後期から始祖鳥が現れる頃の8000万年という時間をかけ徐々に、また急速に進化していたことが分かったそうです。

この説は多くの科学者が支持しているそうで同様の研究としては昨年8月にScienceに発表された論文でも体重160kgの恐竜から始祖鳥の0.8kg程度まで5000万年かけ小型化していったというものや、これまで羽毛が確認されていた獣脚類(ティラノサウルスや鳥)ではない鳥盤類(トリケラトプス)からも羽毛が見つかっていたことから、恐竜が誕生した初期から羽毛のようなものがあったのではないかとされています。

6600万年前の大量絶滅で鳥類以外の恐竜が絶滅したことについて今回研究を行った筆頭著者ロジャー・ベンソンさんは「飛ぶことのできる小さな恐竜は、ほかの恐竜よりもかなり有利だったはずだ」と絶滅を免れた理由を述べています。