中国密漁船団

30あまりの島々からなる東京都の小笠原諸島とその排他的経済水域内で中国の船団によるサンゴの密漁が多発していると報じられています。写真は韓国で撮影された逃走する中国密漁船団の様子

世界自然遺産に登録されている小笠原諸島(東京都)沖に中国船とみられる不審船が押し寄せている。目的は高級サンゴの密漁とみられ、その数は日を追うごとに増加。夜間には水平線に不審船の明かりが並び、島の近くまで接近する船もある。「自分たちの領土で好き勝手にされているのに、見ていることしかできない」。傍若無人な振る舞いに地元漁業にも影響が出ており、国境の島では不安が広がっている。

産経ニュース
東京都から1000km離れた小笠原諸島の鉄製の漁船と思われる船は、赤旗を堂々と掲げ船団を組みサンゴの密漁を行っているとしており、船数は20隻程度だったとしています。

記事によると、現地住民の話として兄島から1kmほどの海上で航行している船も度々目撃されておりトラブルを避けるため日本人側の漁師が出漁をやめるという極めて不愉快なことが行なわれているとされています。

この問題について小笠原村議8人全員が管轄している東京都千代田区の海上保安庁を訪れ、警備強化を訴えてたとのことです。

中国人とサンゴ

日本の排他的経済水域内で行われるサンゴの密漁は今に始まったことではなく、2011年11月頃にも長崎県五島列島沖や東京都の小笠原諸島沖の領海内サンゴ漁をしていた中国船が目撃されており、同じく12月には外国人漁業規制法(漁の禁止)違反容疑で中国人を現行犯逮捕しています。

▼赤珊瑚の原木(浦美術館販売ホームより)
赤珊瑚

何故中国人がサンゴを狙うのか。今回紹介した記事にも書かれているように日本産の赤サンゴは血赤珊瑚(アメリカでは「オックスブラッド」、ヨーロッパでは「トサ」)と呼ばれ最高ランクとされています。そのため日本産赤サンゴは台湾や中国の富裕層に人気があります。

記事によると、赤サンゴの価格は10年で5倍になっており、平成24年の平均取引額は1kgあたりなんと約150万円。赤サンゴの状態によっては「金よりも高値で取引されることもある」とのことです。