カジキ

魚の中でも大きく尖ったツノを持つカジキ。細く長いツノがポッキリと折れることがないのでしょうか。 その理由について最新の研究内容が報告されています。

メカジキは剣のように鋭い吻(ふん)を持つことで知られる魚だが、最近になってこの吻にまつわる変わった特性が発見された。メカジキが吻を丈夫に保ち、いつでも狩りを行なえる状態にしているというのだ。


NATIONAL GEOGRAPHIC
立派なツノがある魚、カジキ。その中でもメカジキという種のツノについてエルサレムのヘブライ大学の生物学者ロン・シャハル氏が研究を行いました。

カジキのツノは正しくは吻(ふん)と呼ばれており上顎骨から伸びた骨からできています。カジキはこの吻を上下左右に振り回し、獲物に当てることで他の魚を捕食しています。しかし、この動作で吻にダメージを負うことが考えられるのですが、不思議と折れることはないといいます。

シャハル氏の研究で明らかになったのは骨の細胞が私達哺乳類とは異なる構造になっている点です。哺乳類は損傷した骨を分解吸収する細胞と新しく骨を作る細胞から構成されているものの、カジキの吻からは新しく骨を作る細胞しか確認できなかったとのことです。
この修復と再生は必ず骨に痕跡が残るもののカジキは1つの細胞、新しく骨を作る細胞だけで骨の修復を行った痕跡が残っていることが全てのサンプルから確認できました。

これが極めて高い強度になる元だとしており、吻の強度は地上を走り回る馬の骨並でそう簡単に折れるものではないそうです。

カジキは25mプールを僅か1秒あまりで駆け抜けることが出来る魚で中には時速100km以上で泳ぐことが出来る種がいるなど、その速度はギネスブックにも記載されているとのことです。ちなみに『カジキマグロ』として刺し身で目にすることがあるものカジキとマグロとはとはまったくの無関係で単に姿が似ていることからカジキマグロという呼び名が付けられているだけとのことです。