NASA

音声ファイル共有サービス「SoundCloud」に公開されたのはNASAが保有する貴重な音のファイルです。公開されているのは最近のロケットエンジンからアポロ計画、そして太陽系の音です。

NASAの公式サイトでは人工衛星や探査機が撮影した映像から写真まで公開されていましたが、今回が新たに音ファイルが一般に公開されることとなりました。

NASA’s stream on SoundCloud - Hear the world’s sounds

公開されているのは7つのプレイリストからなり、ロケットのエンジン音からアポロ計画で録音された貴重なもの、そして天体から発生られる電波を音に変換したというマニアックなものまで含まれます。

SLS Test Fire


NASAが開発している次世代ロケット、スペース・ローンチ・システム(SLS)のエンジン音です。このロケットは形状は大きく異るもののスペースシャトルがベースとなっており、エンジンは同じくスペースシャトルで使用されたSSME(スペースシャトルメインエンジン)の派生型です。
SLSはNASAがこれまで開発されたロケットの中でも最大の打ち上げ能力のあるものになるとされています。

▼SLSのCGイメージ
SLS

Atlas V: Launch


軍事用の衛星の打ち上げに使用されることもあるアトラスVロケットの発射音です。エンジンはRD-180でロシアが開発したエンジンが元になっています。現在は米露のジョイントベンチャーが製造販売しアメリカへ輸出しているものの、政治的な問題でアメリカへの輸出が停止されるおそれがあるとされていいます。(参考)

▼アトラスV
アトラスV

Apollo 11: That's One Small Step for (a) Man

こちらはアームストロング船長が人類が初めて地球外の天体に立った時の音声です。あの有名な「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」と月面で述べたものになります。
アームストロング船長の宇宙服は冷却装置が十分に機能しておらず、2010年アメリカのラジオ番組で「(宇宙服内部は)100℃くらいはあたんじゃないか」と大げさに話しています。参考

Sputnik: Beep

1957年10月4日、旧ソ連が打ち上げた人類初の人工衛星、スプートニク1号から発信されていた電波をNASAが受信したものです。電波は0.3秒おきに発信されており内容は衛星の温度情報となっています。
スプートニク1号は人類史の宇宙開発において極めて重要歴史的な出来事で地球を周回するものを「衛星」や「人工衛星」と呼ぶようになったものもロシア語が元になっているとのことです。スプートニク1号の打ち上げによりアメリカではNASAが設立され、アポロ計画前後まで続く米ソの宇宙開発競争がまることになります。

他には施設内で録音されたと思われるスペースシャトルの着陸装置を展開する音土星の電波を音声に変換したものが公開されています。