チュリュモフ・ゲラシメンコ_1

前回、欧州宇宙機関(ESA)が間近で撮影したしたというチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の写真を紹介しました。その後の調査により明らかになったのは噴出しているガスの成分です。なんと嗅ぐと後悔するレベルのものだといいます。

欧州宇宙機関は2014年9月26日、探査機ロゼッタを使用しチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星から吹き出すジェットの撮影を至近距離から行いこれに成功しました。今回明らかになったのは同じくロゼッタに搭載された分析装置によるものなのですが、彗星のガスにはアンモニアや硫化水素など刺激臭の分子が含まれていることを明らかにしています。

彗星67Pはかなり臭い、ESA 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

EASによるとロゼッタに搭載された質量分析計を用いて彗星から放出されるガスの分析を多なったところ、アンモニア、メタン、硫化水素、シアン化水素、ホルムアルデヒドなど複数の分子が含まれていることがわかったと発表しました。

▼チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星_2

この装置の研究員によると例えて言うならば腐った卵、馬小屋、ホルムアルデヒドにアーモンド臭、そして二硫化炭素の甘い香りも少しまぜたようなものだとしており、「もし彗星のにおいを嗅いだなら、その後で嗅いだことを後悔するだろう」とブログで書き綴っているそうです。

この臭い彗星ことチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は現在、地球から約8億kmという位置を木星よりも内側の軌道にあります。同彗星は一般的な彗星のように太陽に近づく種類ではなく、最も近づいた時で地球と火星の公転軌道の中間付近までで、公転周期は6.5年と言われています。

▼チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の大きさ比較
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星_3