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2030年にも人類が火星へ降り立つと言われている現在、アメリカ航空宇宙局(NASA)は新たに火星地表面での生活を想定した8ヶ月間の試験が行われることとなりました。

米国時間10月15日、男性3名と女性3名のチームがハワイ、マウナロア火山の北面に建てられたドーム型施設に足を踏み入れる。広さ約93平方メートルの同施設内で、彼らは外の世界と隔絶された8カ月間を過ごす。

NATIONAL GEOGRAPHIC
ハワイで実験が開始されたのは「HI-SEAS(Hawaii Space Exploration Analog and Simulation)」という宇宙探査模擬実験です。これは火星を想定した実験で6名の参加者は外部と接触は受けず通信手段がメールだけという環境で、6名の男女が8ヶ月暮らすことになりました。



この長期隔離実験でNASAが最も注目しているのは6名の精神状態です。NASAは今後変化するであろうチームの結束や精神状態など、実際のミッションでもその成功を大きく左右するであろう心の問題を調査するとのことです。

6名はNASAが将来行われるであろう火星ミッションの想定で実験が行われ、例えば長期間過ごすドームの大きさや、必要な食べ物や水、トイレ等が設定されました。ちなみに生きていく上で重要な食べ物については3年間常温可能なフリーズドライが持ち込まれ、水は1日あたり8リットルが支給されるとのことです。

実際の火星有人着陸では必要とされる大量の水を現地調達する方針が明らかになっており、火星地表で水を作る探査機が2020年頃打ち上げられる予定です。(参考)

▼実験に参加する6名
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