月城原発

韓国メディアによると国内の原子力発電所で使用済み核燃料を移動する際、損傷した燃料の一部を格納容器内に落下させる事故が発生していたことが明らかになりました。

2009年、韓国南東部慶州の月城原発1号機(1983年運転開始)で使用済み核燃料を原子炉から取り出し燃料プールへ移動する作業中に衝突させるなど何らかの理由で燃料集合体を破損させ、格納容器内部に燃料の一部を落下させていたことが明らかになりました。

韓国、使用済み核燃料が床に落下 09年、作業員が回収|さきがけonTheWeb

この事故は原発運営会社である韓国水力原子力は原子力安全委員会(韓国政府の原子力規制組織)に報告しておらず隠蔽していました。原子力安全委員会はこの事故を確認していたものの公表せずこちらも隠蔽したとされています。

韓国水力原子力によると、この事故で核燃料の回収のため1人の作業員を現場に派遣し燃料から数メートルの位置で作業させたとしています。具体的にどのように回収を行ったのかその後の作業員の状態など詳細は明らかになっていません。

▼燃料集合体
燃料集合体

燃料集合体とはペレットというウランの固体を集めた燃料棒を束ねたものです。発電に使用された燃料集合体は圧力容器から取り出され、使用済み核燃料プールに移動し数年かけこれを冷やし続けます。使用済み核燃料は使用前の核燃料集合体と比べ極めて強い放射線を出しており使用済み核燃料の本体に近づいた場合、人間であれば数秒で致死量の線量を受けるといわれています。

韓国の原子力発電所では定期検査中に全電源喪失する事故や制御棒を落下させる事故、また原発の部品の不良や品質を捏造するなど不祥事が報告されています。