ヤーセン型原子力潜水艦の脱出ポッド

釣り上げられているオレンジ色のパーツ、そして潜水艦に開いた大きな穴。今回紹介するのは、ロシアの原子力潜水艦に採用されている緊急脱出装置(ポッド)です。テストされたのはロシアで配備されている最新の攻撃型原子力潜水艦のもので非常に貴重な写真となっています。

今月ロシア海軍が実施したのは潜水艦に搭載されている脱出ポッドの試験です。ロシア海軍の原子力潜水艦には他国の潜水艦にはないとされる緊急時の脱出ポッドが搭載されています。このような試験が行われその様子が公開されるのは極めて異例で、初めて目にする人も多いのではないかと思われます。

試験が行われたのはヤーセン型原子力潜水艦で2010年に進水した885型「ヤーセン」1番艦K-560セヴェロドヴィンスクを使用したものだと考えられます。

ヤーセン型原子力潜水艦の脱出ポッド_1

このように脱出ポッドは船橋の一部になっており、アメリカの原潜に比べ大きい船橋になっていたのは実は脱出ポッドが関係していることが分かりました。今回の試験では脱出ポッドに5人分のおもりを載せて行われたようで、全員が脱出できるという設計にはなっておらず、また繰り返し海面と水中を行き来するような仕様にはなっていないようです。

同様の脱出ポッドは沈没事故が発生した原潜クルスクにも搭載されており、他のロシア製潜水艦には船橋の位置に脱出ポッドがあると思われるスジが入っていることが確認できます。

ヤーセン型原子力潜水艦の脱出ポッド_2

ヤーセン型原子力潜水艦の脱出ポッド_3

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Photo:narkom100gramm