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人間とマウスの脳の違いといえば大きさだけかと思いきや、実はそうではないそうです。アメリカの大学が人間の脳細胞をマウスに移植したところ明らかな違いが見られたと報告されています。

人間と他の動物を決定的に分けるのは、高度に発達した人間の脳がもたらす高い知性です。ある研究チームではそんな人間の脳細胞をマウスに移植して定着させ、「半人間脳」状態のマウスを作り出すことに成功しました。

GIGAZINE
アメリカ・ロチェスター大学メディカル・センターは臓器提供を受けた人間の胎児の脳からグリア細胞というを取り出し、子供のマウスに移植するという研究を行いました。

移植されたマウスの脳で一体なにが起こったのか。実はマウスと人間には同じグリア細胞があるものの、人間のグリア細胞はマウスのものよりも10~20倍という大きさがあるといいます。移植され1年が経過した頃改めてマウスの脳細胞を調べたところ、人間のグリア細胞が繁殖していることが分かったといいます。
グリア細胞
神経膠細胞(しんけいこうさいぼう)とも呼ばれ、神経系を構成する神経細胞ではない細胞の総称であり、ヒトの脳では細胞数で神経細胞の50倍ほど存在していると見積もられている。(Wikipedia)
このマウスについてどの体の知性があるのか調べたところ、音と電気ショックを与えて危険予知を学習させる実験からは通常のマウスとは異なる賢さが確認できたとしています。ただし、研究者によると人間の細胞を移植したところで結局はマウスの脳であることには間違いなく、人間が持つ高度な能力をもつマウスにはならないとしています。

将来的に動物と意思の疎通ができるようになると言われることがありますが、少なくとも脳細胞の移植だけでは不完全のようです。 

ちなみに、一般的にグリア細胞と脳神経の比率が大きいほど高等動物になるとされており、その比率はマウスが0.4倍、ネコが1.4倍、クジラが6倍、一方人間は1.8倍前後とされています。(参考)