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中国国家航天局が設立した国有企業、中国航天工業公司はトレーラーをロケット発射台にした新型の移動式ロケット発射システム「飞天一号(FT-1)」を発表しました。

これは先月開催された航空機関連見本市「Airshow China」にて中国航天工業公司が行ったプレゼンで明らかになったもので、大型のトレーラーにロケットと発射台を備えた移動式の小型ロケットを開発するというものです。

中国、新方式の小型ロケット「FT-1」を発表 - BusinessNewsline

同社によると「飞天一号(FT-1)」と呼ばれるもので、打ち上げ能力は極軌道と呼ばれる南極と北極を付近を通る軌道に対し300kg、太陽同期軌道では250kgとなっています。発射台18トンのトラックで、このトラックのみで打ち上げが行えるよう独立したシステムになっているとしています。同社によるとロケットを開発する理由として、宇宙における非常事態に対して臨機応変な対応を取ることができるようになると説明しているそうです。

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具体的にどのような「非常事態」に使用されるのかについては「自然災害等」としており、災害による損失を最小限に抑えるため情報収集を行う人工衛星の打ち上げが行われるとしています。(打ち上げまでは4時間程度必要とのこと)

FT-1はそのサイズから東風-31(DF-31)と呼ばれる移動式の大陸間弾道ミサイルと似ており、この派生型であると考えられています。

開発している中国航天科技集団公司(China Aerospace Science & Industry Corp.:CASIC)は中国の宇宙開発に携わる国有企業で大陸間弾道ミサイルや各種軍事兵器を開発、製造を行っている企業です。

Photo:中国航天科工集团公司 - 新闻中心 - 媒体聚焦
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