蟻

私達に身近な虫といえば蟻がいますが、この蟻達が道の分岐点に差し掛かった場合は“左と右”どちらに曲がる傾向があるのかご存知でしょうか。最近明らかになった蟻の行動について紹介していきます。

イギリスのブリストル大学とオックスフォード大学の共同研究チームは蟻は左右どちらかに偏る傾向を示すかどうかを調べた研究結果を発表しました。今回研究の対象となったのは欧州の岩場に生息しているというフタフシアリ亜科の蟻で、8つの蟻の巣から採取した蟻を新しい蟻の巣に入れた場合、巣の分岐点で左と右どちらに進むのかを観察しました。

Yahoo!ニュース - アリの「左に曲がる」習性、研究で発見 (AFP=時事)

結果、最初の蟻は左折を35回右折を19回、次の蟻は左折50回右折30回と他の蟻でも同じように左折を多くする傾向があることが分かりました。

研究者によると同様の実験はこれまで行なわれたことがあったようなのですが、理由は不明ながら「決定的とするものではない」と主張しており、今回の研究は「左折に偏る傾向を示す十分な証拠だと思われる」と述べています。

▼蟻の巣
蟻の巣

何故蟻達は左折する傾向があるのでしょうか。研究者によると左折を多くするということは蟻の巣にいる個体の大半を同じ場所に群集させることになるため、捕食のリクスを軽減させているのではないかとしここでは『捕食対策説』を提唱しているといいます。

また、迷路で使われる裏ワザとして「分岐点で左折を繰り返せば出口にたどり着く」というものがあるように、蟻たちもまた迷路のような巣の中を抜け出すために一定の方向に曲がるというのは「非常に有効な戦略だ」と述べているそうです。  

もちろん左に曲がる理由は謎なのですが、誰に教わったこともなく右利きの人間が多いように蟻たちに無意識も曲がってしまっているのかもしれませんね。
ちなみに、この引用先の記事に寄せられたコメントによると、人間は利き足とは逆の方向に曲がることが得意のようで、こちらも明確な理由は不明なのですがグルグルと回る陸上のトラック競技はこの利き足が理由から左回りになっているといわれているようです。