氷底湖の魚

アメリカの研究チームは、南極大陸にある厚さ700m下の氷に閉ざされた湖で新種と思われる複数の魚を発見したと報告しています。

ウィランズ氷河底湖調査プログラムというアメリカの40名の科学者により行われた、南極の厚い氷の底にある湖の調査です。この湖は氷河底湖や氷底湖などの呼び名があり、湖自体は氷で蓋がされ極めて長い時間(1000万年を超える場合もある)外界とは閉ざされた独自の生態系が広がっている湖です。

南極の厚さ700mの氷の下にすむ半透明の魚を発見 | ナショナル ジオグラフィック(NATIONAL GEOGRAPHIC) 日本版サイト

今回行われたプロジェクトでは南極大陸のロス棚氷にあるウィランズ氷河底湖を目指し熱水を用いた掘削を行い厚さ740mを掘り進みました。そこで発見されたのはまるで洞窟にいるかのような魚でした。

氷底湖の魚_1

研究者によると見つかった体長15cmほどの魚(写真)はノトテニア亜目に属する種と見られており、新種かどうかは現時点ではわかっていないとのことです。ここの環境について水温は一定の摂氏マイナス2℃に保たえれており、不凍糖タンパク質など人間にはない手段を用いて体液の凍結を防いでいると考えられています。
不凍糖タンパク質
不凍タンパク質類を生物が獲得したのは数百万年前の氷河期においてのことであり、異なった生物グループに同様なものが存在するのは収斂進化の結果ではないかとの説がある。
今回の調査で氷河底湖は氷と底は最大で10m程度の深さがあり30あまりの魚と赤エビが見つかったとのことです。共通する特徴としては体には合わない大きな目です。湖には太陽の光は届いておらず洞窟魚のように目が退化していないということは閉ざされてからそれほどの時間がたっていないとのことなのでしょうか。

いずれにしても今回の研究では冷たく厚い氷の下でも生物は生きられるということの証明するものであり、同じく厚い氷と海があるとされる他の惑星でも生命の発見が期待できる発見になりました。

 ▼ロス棚氷の位置
ロス棚氷
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