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音楽は普段様々な場所で聞こえてきますが、実は聴力に著しい悪影響を与えている可能性があるとして場合によっては1日あたり1時間以内の視聴に制限したほうがいいという指針を発表しました。

 【ベオグラード共同】世界保健機関(WHO)は27日、スマートフォンやオーディオ機器で音楽などを鑑賞する場合は、聴力を守るため「1日1時間以内」に控えるべきだとの指針を発表した。

 WHOは、音楽などを大音量で長時間聴く習慣のため難聴になる恐れがある若者(12~35歳)は世界で約11億人に上ると指摘。

中日新聞(CHUNICHI Web)
WHOによると大音量での音楽の視聴が一番問題としているらしくこの状態で長時間聞いた場合、難聴になる恐れがあるとしており同様に大音量が鳴り響くコンサートやイベントも注意が必要であると指摘しています。

信じがたいニュースなのですが、実はこれまでも音楽の視聴と聴力の衰えについての研究記事が何度か見たことがありWHOの発表もあったことを考えると音と聴力の低下について因果関係があるというのは事実のようです。

これは2005年9月に発表されたパーデュー大学で聴覚学者の研究で分かったもので体は若いものの聴力は老人並みの若者があまりに多かったというものです。原因としてはやはりウォークマンやiPodといったモバイル端末の普及で当たり前のように身近に音楽ある環境になったことです。ただし、難聴になる音については『すべての音』が原因であり、例えば車やスノーモービル、オートバイといったエンジン音、火器や電動工具が出す音でも変わらないとしています。

また2006年1月にもアメリカ、マーシュフィールド病院の聴覚専門医は音楽を聞くのは1日に2時間以内にするべきだとしており、芝刈り機が出す音量約80デシベルで音楽を聴き続けた場合は8時間、100デシベルを超えると1.5~2時間で聴力低下を招くとしています。
ただし、適正音量でもイヤホンで聞いた場合は例外ともしており1日あたり2時間以内に抑えないと10代~20代の若者が40歳になる頃には補聴器が必要な耳になっている可能性がある指摘しています。

現在一度失われた聴力は二度と回復することがなく治す手段は無いとされています。一方で研究も進んでおり、米軍ではN-アセチルシステイン(NAC)という抗酸化剤が難聴防止に効果があることが動物実験で明らかになり、ハーバード大学によるとアルツハイマー型認知症の治療に用いられている「LY-411575」という薬が内耳の細胞の再生を促進することがわかったという研究も報告されています。