THAAD

敵国から発射された弾道ミサイルを大気圏再突入の際に迎撃する最新の高高度防衛ミサイルが開発されているのですが、これについて韓国政府は米製の迎撃システムの導入は行わず自国で開発すると判断が決定したようです。ちなみに背景には中国の圧力があったと言われています。

2015年3月9日、韓国・聯合ニュースによると、韓国国防部のキム・ミンソク報道官は同日の記者会見で、米国が韓国への配備を検討している最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」について、購入計画がないことを改めて強調した。10日付で中国新聞網が伝えた。

Record China
THAAD(サードミサイル)とは終末高高度防衛ミサイルというもので、発射された弾道ミサイルが宇宙空間に達しその後目標に向かい大気圏再突入している段階で迎撃するという長射程ミサイルです。具体的には周囲200kmの防衛を行うことができミサイル本体は高度150kmまで達します。



この最新の防衛ミサイルについて以前にも言っていたように(参考)韓国政府はTHAADに似た防衛システムを築いているとして「長距離地対空誘導弾(L―SAM)や中距離地対空誘導弾(M―SAM)などを開発し、独自の弾道ミサイル防衛システムを構築する」と述べたそうです。
また韓国側の主張として、米政府は在韓米軍及びその他の地域にTHAADを配備する決定はしておらず、協力要請もなかったとしており米政府が配備を要望があればその時に判断するとも回答していたそうです。

ちなみに韓国のTHAADについて横槍を入れているのは中国です。これは2015年2月に中国の国務委員を兼任する常万全国防部長(大臣)が韓国を訪れた際にTHAADの配備が今後の中国と朝鮮半島の関係に何らかの影響を与えるとする趣旨の発言を行っています。これについては過去にも同様の『脅し』をかけていたことが明らかになっています。

一方韓国は同様のシステムを自主開発するとしているものの、高度100kmを超える衛星打ち上げ用のロケットも無く現実には開発に相当な時間を要することが考えられます。
韓国はイスラエルが配備しているアイアンドームに興味を示しているとも過去に報じられたこともあり外国製の輸入かまたそれを模倣した防衛システムの開発が進められると予想されます。