オポッサム

年間9万人以上を死に追いやっているのは毒蛇の毒です。人間の活動エリアにも多く毒蛇が生息しておりこれら毒には人間は全く無力なのですが、なんとオポッサムにはこれらすべての毒を中和する謎の血液が流れていたことが明らかになったそうです。

神経毒、出血毒、血液凝固阻害毒、筋肉毒。何れも人間を死に追いやるには簡単な毒になるのですが、オポッサムにはこれらすべてのヘビ毒に対し耐性のある血液が流れていることが明らかになりました。

ヘビ毒の万能解毒剤を発見か、血清とは別 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

これはカリフォルニア州、サンノゼ州立大学の研究チームが突き止めたもので、北米に生息する有袋類オポッサムの血液に含まれるペプチドがヘビ毒に対し万能性があることが分かったそうです。



通常これら4つの毒に対し、それぞれの治療薬が必要だという考え方が一般的であり他の研究者からも同様の問題を指摘されてます。これについて研究チームは「ペプチドがガラガラヘビの出血毒・神経毒を中和できることは理屈では考えられない」としているのですが、実際にマウスを使った実験では症状が出ないことが確認できているそうです。

これほど多くの死者数を出している一方研究が進んでいない理由としてヘビ毒には数百種類もの化合物が含まれ、これを中和する血清の研究、製造には高度な科学知識が必要で高い研究費用がかかることから積極的に研究される分野ではないといいます。
1つのペプチドが複数のヘビ毒に万能性があることは他の研究者から「革命的」と表現されているのですが、今後待ち構える人間も使用できる万能解毒剤の開発には多くの実験と時間が必要のようです。


人間を含む霊長類はヘビが天敵とされており本能的に嫌うことが知られています。また合わせて他の動物に比べ霊長類の色覚が高度に優れているのは自然に紛れる「ヘビ」を認識するために発展したという説もあるそうです。