女性専用駐車スペース_1

みなさんが普段車で行かれるところに女性専用の駐車スペースが作られたらどう感じるでしょうか。今回は上海で論争となっているこの駐車スペースをはじめ世界の女性専用駐車スペースの例を紹介していきます。 

駐車場といえば障がい者が乗り降りしやすいように広い幅をもたせたものや、最近は電気自動車向けにバッテリーを充電できる専用の駐車場が登場していますよね。しかし、世界には女性だけが駐車できるという駐車スペースが作られる場合があるのはご存知でしょうか。

上海のあるデパートに女性専用駐車スペース 一般より50センチ幅広い--人民網日本語版--人民日報

中国 上海市、興義路にあるデパートの地下駐車場に新しく設置されたのは4台分の駐車スペースです。そこにはピンク色の塗装が施され、女性を表すピクトグラムが描かれています。駐車場の管理会社によると「女性に快適に利用してもらおう」という理由から普通の駐車スペースよりも幅が広く作られました。
しかし、この駐車スペースについて「女性は運転が下手だと侮辱しているのではないか」、女性専用ということで男性への「性差別」ではないかという声が寄せられていたいいます。

女性専用駐車スペースと試される男性専用駐車スペース

さて、日本ではそう見かけることはない女性専用駐車スペースなのですが、海外ではかなり前から設置されるケースがあるそうです。中国大連では2014年7月にショッピングモールに10台分の女性専用駐車スペースを設置したところ今回と同じような性差別を訴える声が寄せられていたといいます。

これより以前では2010年に河北省で女性専用駐車スペースが設けられ通常よりも80cm幅が広く、停めた場所を覚えやすく十二支の絵が描かれており、踊りながら女性の駐車をガイドする謎の作業員まで配置されたと話題になっていました。

韓国では2009年よりソウル市のショッピングモールなどを中心に5000台分が女性専用駐車スペースに生まれ変わっています。理由は運転の上手、下手ではなく「ハイヒールを履く女性はあまり長い距離を歩きたくないだろう」というものでした。

一方ドイツでは州の規則として駐車スペースの10~30%を女性専用駐車スペースにしなくてはいけません。理由は他国とは若干異なり、女性が性犯罪にあわないよう防ぐことが主たる目的だとされています。

男性からは「女性専用があるならば公平に男性専用駐車スペースも設置するべきだ」という声が寄せられそうなのですが、実はドイツでは既に導入されています。ただし、この駐車スペースとは一般のドライバーならば避けるような高度な駐車技術のいるスペースだったとされています。

参考:中国の「女性専用駐車スペース」に性差別の批判 - WSJ

そもそも男性・女性を区別するような駐車スペースを設置は必要なのか。利益が云々ではなく本当に客の利便性を目的だとするのであれば、すべての駐車スペースの幅を広くとることが最も良い選択であることは間違いありません。