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ロシア連邦捜査委員会の報道官は1969年以降に行われたアメリカのアポロ計画と月面着陸について、当時撮影された映像や持ち帰られた月の石について「調査すべき」などとロシア紙にコラムを掲載していたことが明らかになりました。

ロシアのイズヴェースチヤ紙は6月16日、アポロ計画で撮影された映像や、月から持ち帰られた月の石の行方について調査すべきとする、ロシア連邦捜査委員会の報道官ウラジーミル・マールキン氏によるコラムを掲載した。

ロシアと米国は、かねてよりウクライナ問題などで対立を続けているが、最近も国際サッカー連盟(FIFA)による一連の汚職事件に対し、米国外で起きた事件であるにもかかわらず、米司法省が捜査を主導して…(略)

sorae.jp
ウラジーミル・マールキン氏の主張とはアポロ11号が撮影した映像、そして全体の計画で持ち帰ってきた月の石約400kgが紛失していることについて、「人類の遺産に何が起きたか明らかにすべきではないか」というものです。
 
本人は一般人や学者が言うようなアポロ計画陰謀論ではないとしている一方、なぜ今の時期にこのような主張を始めたのかという点について、本人は「米国のアポロ計画に対しても疑いの目が向けられるべきであり、国際的な調査チームによる調査がなされるべきだ」などと話しているようです。これはアメリカが行なっているウクライナ問題以降ロシアの国際的な評価を落とすような行動に対し『対抗手段』として今更アポロ計画を持ちだしたというわけです。


しかし、大きな2つの疑いについて実は既に答えは出ています。sorae.jpによるとアポロ11号が撮影した磁気テープが紛失していることについて2006年に認めており、その一部は地球観測衛星のデータ収集にこれが使用されていたことが確認されています。また紛失したという月の石についてはその大半がジョンスン宇宙センターに保管されており、それ以外の石はモスクワを含むいくつかの博物館に展示されています。

ロシア連邦宇宙局に聞かなくてもウィキペディアを開くか、ちょっと宇宙に詳しい人を呼べば近い答えを導き出せそうなことなのですがコラムに掲載してしまったのか。対抗手段としても疑問の内容があまりにも『浅すぎる』と言わざるを得ません。